過小評価され気味な音楽

 

 最近また前みたいに音楽を聞いてて楽しいし色々発見がある。

今回は過小評価されてるんじゃないコレ、みたいな音楽を集めた。気になったら聞いてみてほしい。

 

下に行くほど個人的プッシュ度が高い。

 

75. 佐藤博 - AWAKEING(1982)

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山下達郎細野晴臣なんかの仕事でも知られる、佐藤博のAWAKENING。 吉田美奈子の「FLAPPER」でもそうなんだけど、この人の作る曲のベースのねっとりしてる感じ、まるで流動体みたいな音像が最高に気持ちいい。途中、ビートルズの「From Me to You」も収録されてる。

 

今流行りのシティ・ポップの源流でもあるこの音、今聞いても当たり前だけど全く古臭くない エヴァーグリーンな名作だと思う。

 

74. Seu Jorge - The Life Aquatic Studio Sessions Featuring Seu Jorge(2005)

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ウェス・アンダーソンの映画「ライフ・アクアティック」のサウンドトラック。

1曲を除いて全てデヴィッド・ボウイポルトガル語カバーというかなり変化球な内容で、アレンジもアコースティックギターのみのシンプルなものだけど、すごくいい。ボウイのソングライティング能力の高さを改めて思い知る。

映画もキッチュでポップで最高だから見て

 

73. Looptroop - Modern Day City Symphony(2000)

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スウェーデン産のヒップホップ。叩きつけるようなフローと謎に琴なんかがサンプリングされた、それでいて潔癖症で無機質なトラックが最高。

ジャケットとアルバムタイトルがやたらかっこいい。

 

72. Arto Lindsay - Salt(2004)

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アート・リンゼイは90年代後半のチルな雰囲気が好きなんだけど、このアルバムは音像がスカスカでそれがまたかっこいい。

2曲目の「Kamo(Dark Stripe)」は京都の鴨川をイメージして作られたらしい。アート・リンゼイ史上でもかなりのキラーチューン

 

71. Pharoahe Monch - Internal Affairs(1999)

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オーガナイズド・コンフュージョンのファロア・モンチのソロ。

ラップ上手いのは当然のこと、トラックがどれも派手さはないんだけど中毒性がすごい。「The Light」のようなメロウな曲が急に挟み込まれたりして最高。

 

70. Cowpers - Lost Days(1998)

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札幌発のエモバンドのカウパーズの1st。

普段エモというジャンルは自分から進んで聞くことはほとんどないんだけどこれは本当に怪作。感情が音に形を変えてパッケージングされてる。

 

69. Syd Barrett - The Peel Session(1987)

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オリジナルアルバムじゃないんだけどこのEPがものすごくいい。「帽子が笑う...不気味に...」が鬱ならこちらは躁というほど独特の浮遊感がオリジナルとは違う魅力を醸し出している。アレンジがポップになってて聞きやすい。

 

68. Arab Strap - The Week Never Starts Round Here(1996)

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ダウナーな音楽の中でもかなり好きだ。ローファイなスリントみたいだ。

 

67. Nuno Canavarro - Plux Quba(1988)

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 時代があまりにも早すぎた。この人は未来からやってきてこの音を作ったんだろう。

 

66. Helen Merrill - Parole e musica(1960)

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22曲収録されてるんだけど、1曲ごとにイタリア人の謎の語りが挟まれるので実質11曲。この語りの部分聞いてるとゴダール見てるみたいでいい。ジャズ・スタンダードの中でもさらに定番の曲が採用されていてアレンジもかなりいい。

これ聞いてイタリア行った気になってる。

 

65. Circulatory System - Circuratory System(2001)

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リビア・トレマー・コントロールニュートラル・ミルク・ホテルのメンバーが共作で出したこれも胡散臭いビートルズみたいですごくいい。なんでこんなにポップなんだろう。

 

64. 12 Rods - Lost Time(2002)

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この人たちの話題はマジで聞いたこと無いんだけどディスコグラフィどれもかっこいい。

空間系の音使いにエモっぽいボーカルが乗っかって唯一無二の立ち位置だったのに今は何してるんだろう。

くるりのアンテナ期のドラマーだった外人が昔いたバンドでもあったりする。

 

63. Brainiac - Bonsai Superstar(1994)

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これも最高にかっこいいんだけど埋もれてる。2000年代頭にあったダンスパンクみたいなノリを先取りしすぎたんだと思う。

初めて聞いた時からずっとこのバンドをパクって日本で金儲けしてえなって思ってる。

 

 

62. The Brian Jonestown Massacre - Take It From The Man!(1996)

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これはかっこいい。70年代初頭の名盤を聞いているみたいだ。ガレージロック・リバイバルに分類されるんだろうけどネオサイケっぽい雰囲気も兼ね備えてて最高。

 

61. O.C. - Starchild(2004)

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O.C.のこのアルバムは今まではメジャーレーベルからリリースしていたものの、何故かこれだけインディーズレーベルでリリースされてる。それでも内容はこれまでのBuckwildがプロデュースしたアルバム群に負けず劣らず素晴らしくて、なんというか近未来的なトラックで統一されてる。

地味にCDというフォーマットだとプレミア付いてるから手に入りにくい印象。

 

60. Mic Geronimo - The Natural(1995)

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94年はヒップホップ史的にはナズのイルマティックの年なんだろうけど、裏名盤としてこれが挙げられることも多い。それくらい全曲レイドバックでスロウしたトラックにやたら粘っこい淡々としたラップが乗っかっててめちゃかっこいい。

プロデューサのマーク・スパークスという人が裏で手を引いていて、彼の作るトラックは全てかっこいい。もうひとりのBuckwildみたいだ。

 

59. Rollerskate Skinny - Horsedrawn Wishes(1996)

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これもなんで見つけたか忘れたけど、調べてみるとどうやらマイブラケヴィン・シールズの弟のバンドらしい。

弟の方もシューゲイザーっぽいことをやっているんだけど、空間系というよりピクシーズのようなクワイエット・アンド・ラウドみたいな展開の曲が多い。

やたらメロディが甘ったるくて気怠くて、ディアハンターのマイクロキャッスルが好きな人なら間違いなく気に入ると思う。

 

 

58. The Brian Jonestown Massacre - Their Satanic Majesties' Second Request(1996)

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前作「Take It From The Man!」を更に深化させ、さらにインド要素も足したこのアルバムもかなり良く出来てる。

ジョージ・ハリスンでも在籍してるのかよというくらいシタールがガンガン前面に押し出されてる。ネオサイケ。

確実に葉っぱ吸いながらレコーディングしただろ、みたいな曲ばっかで最高。

 

57. 坂本龍一 - B-2 Unit(1980)

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坂本龍一が尖ってた時のアルバム。若い時ってやっぱりこういう音楽作りがちなんだろうけど、なんだかんだいってポップでこのタイプの音楽の中では抜群に聞きやすい。

1曲目がオウテカみたいでかなり好き。

 

56. Beck - Midnite Vultures(1999)

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ベックはみんなシーチェンジが過剰に好きだけど、これは彼のディスコグラフィの中でも一番正統に評価を受けていないんじゃないかと思う。

メロウでソウルフルで全曲最高だし、ベックの中でもモダンギルドと併せて最高傑作だと思ってる。

ボアダムズ山塚アイのジャケットもいい。

 

55. John Coltrane - The Olatunji Concert: The Last Live Recording(2001)

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晩年はどんどんスピリチュアル、フリージャズに傾倒していき、それの集大成がこのアルバムだと思う。

色んな所で無尽蔵に音が鳴っていてウォールオブサウンドだ。ドラムがめちゃくちゃかっこいい。

コルトレーンのサックスがティーケトルみたいで笑えるのもいい。

 

54. David Bowie - The Buddha of Suburbia(1993)

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ボウイの復帰作以外の文脈で全く語られることのない本作も聞いてみるとかなりかっこいい。

ボウイ自身は70年代のカスみたいな音楽の寄せ集めと本作を評したらしいけど、彼自身もこれでソングライティングに自身を持てたと言っているのも納得のかっこよさがある。

90年代以降のボウイの作品群の中でもかなり好きだ。

 

53. John Coltrane - Crescent(1964)

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「Love Supreme」よりもいいと思う。

個人的コルトレーン最高傑作。

 

52. Maison Book Girl - bath room(2015)

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現代音楽✕アイドルの触れ込みで売り出してたらしいけど現代音楽っぽさが皆無。でもいいもんはいい。

ポストロックを薄めた感じがかなりいい塩梅でポップになってて聞きやすい。

 

51. Grand Puba - 2000(1995)

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マイク・ジェロニモと同じく、これもマーク・スパークスがプロデュースしてるんだけど本当にかっこいい。

ビートが煙たくて黒くてこれこそ名盤であるように思う。

 

50. Smog - A River Ain't Too Much Love(2005)

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スモッグ名義でのビル・キャラハンによるラストアルバム。

ビル・キャラハンの作る音ってスカスカなのにどこかトリッピーでサイケな様相を纏いながら、それでいてそこそこ聞きやすいというかなりギリギリなバランスで成り立ってる音楽という印象。

このアルバムは、本当に危ういバランスで成り立っているので聞き手を拒絶するかもしれないけど、過去作の「Red Apple Falls」や「Knock Knock」、「Supper」くらいまではけっこう聞きやすくてこっちもかなり良い。

この「A River Ain't Too Much Love」はもうスカスカすぎて、このアルバムを聞き終わる頃には一抹の寂しさだけが残る、室生犀星の詩集みたいな音楽。

 

49. O.C. - Jewelz(1997)

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O.C.で名盤と言えば前作に当たるであろう「Word...Life」が挙げられるだろうけど、ちょっと上の方で取り上げた「Starchild」とこの「Jewelz」もかなり良い。

前作の方が、プロデュース曲のほとんどがD.I.T.C.の一員でもあるBuckwildがトラックを提供していたため、統一感のあるアルバムになっていたけど、こちらもかなり粒ぞろい。

というかプロデュース陣が豪華すぎる。DJプレミアはもちろんのこと、ビートマイナーズ、ロード・フィネス、ショウビズなど97年当時の一流トラックメイカーがこぞって提供してる。悪いわけがない。

いやもう本当にO.C.もラップ巧すぎて、ああ〜ラップうめ〜気持ちいい〜とこれを聞くたびに思ってしまう。

 

48. Tyrannosaurus Rex - Unicorn(1969)

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奥田民生率いるユニコーンのバンド名の元ネタになったアルバム。

後のT.Rexになったときのバリバリエレキギター白塗りグラムロックのほうが有名だけど、こっちもかなりいい。というかこっちのほうが好きだ。

サウンドは平たく言えばシド・バレット直系のサイケフォークなんだけど、曲中に鳥がピヨピヨ

鳴いていたりシド・バレットとは違う意味であっち側に行っちゃったような曲ばっかで最高。曲数が30曲くらいクレジットされてるんだけど、一曲一曲は2分にも満たないような短い曲の釣瓶撃ちなので聞きやすい。無駄にポップなのも笑える。メロディが覚えにくいので長く聞ける印象。かなりの良盤だと思う。

 

47. なのるなもない - Melhentrips(2005)

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ジャケからしてあまりにもメインストリームから遠く離れているけど、日本語ラップ屈指の名盤だと思う。

ストリート系のラップとはまた違う、Shing02THA BLUE HERBSOUL SCREAMスチャダラパーと言った文系ラッパーの至高。彼が所属する降神による「降神」も素晴らしいけれど、これもかなり良い。

リリックがすげえ。韻を踏むという言葉遊びの領域を超えて、ポエジーな要素も残しつつ、ストーリーテリングするというめちゃくちゃ高度なことをさも当然かのように提供している。

浮遊感のある幻想的なトラックの上になのるなもないの流れるようなフロウとリリックが完璧に噛み合っている。客演陣もかなりいい仕事していて、ほんとこのアルバムには文句のつけようがない。

 

46. Sonic Youth - Murray Street(2002)

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ソニック・ユース、なんかだいぶ昔に「Daydream Nation」と「Goo」を聞いて以来、イマイチハマれなかったんだけど、なんだこれやけに聞きやすいな、と思っていたらジム・オルークがこの作品にも関わっていたのね。

ソニック・ユースは「EVOL」とか「Sister」みたいなノイジーな初期作も好きだけど、ジム・オルークが関わった「Sonic Nurse」のような間や構成をしっかり活かした、まあ言うなればかなりポップソングよりの彼らがめちゃくちゃ好きなんです。ソニック・ユースの中でもこのアルバムと「Sonic Nurse」が一番聞きやすいと思う。普通にめちゃくちゃ好きだ。

 

45. Alan Goraguer - La Planete Sauvage(1973)

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ご存知、チェコのカルトSFアニメ「禁断の惑星」のサウンドトラック。これが映画にも負けず劣らずよく出来ていて、73年って時代が早すぎる上にサウンドもめっちゃドープで笑う。

数ある映画のサウンドトラックの中でもかなり良く出来た作品だと思う。今聞いても全く古くない。

 

44. Broadcast - The Noise Made by People(2000)

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不思議の国のアリスの世界という単語が世界で一番似合うアルバムだと思う。

 

43. Helium - The Dirt of Luck(1995)

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ヘリウム、全く話題にしてる人を見たことないんだけどかなり良い。淡々としてるのにギラリと光るポップセンスに痺れる。

 

42. Helium - The Magic City(1997)

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前作もかなり良いんだけど二枚目のこれもすごく良い。埋もれてるのが本当に不憫でしょうがない。ヨラテンゴとかのその辺の良い感じのバンドよりも熱量持って語れる数少ないグループだ。

 

41. Flying Lotus - Pattern + Grid World(2010)

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フライングロータスは最初から天才だったんだって再確認できる。

 

40. Broadcast - Work and Non Work(1997)

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ブロードキャストのレアトラック集。ただの寄せ集めと違って一曲一曲の個性が強すぎるためにオリジナルアルバムから外された曲たちという印象。

どうでもいいけど、レアトラック集ってだいたいこんな風にただの寄せ集めじゃないってコピーが付いて売り出されてるよね。

 

39. Loop Junktion - Ties(2002)

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和製ザ・ルーツのループ・ジャンクションの1st。

ジャズアレンジのトラックがめちゃくちゃかっこいいので聞き流しても聞けるけど、だんだん語りみたいなラップが癖になってくる。

唯一無二の存在で最高だったのに解散してしまったのは残念。

 

38. Starving Artists Crew - Up Pop The Sac(2004)

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 気持ちよさだけを追求したヒップホップ。メンバーがピート・ロックをリスペクトしてるみたいだけど、良い意味で煙たくなくて抜けのいい音がめちゃくちゃ気持ちいい。

 

37. Klan Aileen - Klan Aileen(2016)

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最近聞いた音楽の中で一番ベルベッツを感じた。

 

36. Jim O'Rourke - Harfway to a Threeway(1999)

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ジム・オルークはいい音楽手がけすぎなんだけど、その中でもこれは個人的に頭一つ抜けてる。

この世界のEPというフォーマットの音楽の中で一番好きだ。

 

35. Oddisee - Instrumental Mixtape Vol. 1(2005)

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かなりかっこいいビートメイカーなのに全く知られていない。全編インストのアルバム。ヒップホップの枠からはみ出ること無く、純粋にかっこいいのみを凝縮した音が収録されてる。

個人的にはJ Dillaの「Donuts」より好きだ。

 

34. Pantha du Prince - This Bliss(2007)

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ドイツ産マイクロハウス。全曲やたら主旋律がはっきりしてる。かなりダークサイド寄りの電気グルーヴの「ポケット・カウボーイ」みたいな曲ばっかりで最高。

 

33. 小沢健二 - 犬は吠えるがキャラバンは進む(1993)

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小沢健二、「Life」ばっかり注目されがちだけど、他のアルバムもかなり素敵だ。もちろん「Life」も最高なんだけど、この「犬は吠えるがキャラバンは進む」はグルーヴィな曲が多くてかなり良い。

「Life」に比べると似たような曲が多い印象だけど、このアルバムの根幹を流れている、妙に低血圧な雰囲気がたまらなく好きだ。

名曲、「天使たちのシーン」も収録されてるけど、このアルバムの最後を飾る、「ローラースケートパーク」が狂おしいほど好きなんだ。

 

32. Biosphere - Substrata (1997)

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アンビエントとフィールドレコーディングの中間みたいな音楽。アンビエントの中でもかなり良い。

無人島には絶対持って行きたくないけど、宇宙を旅するなら地球が恋しくならないようにこのアルバムを持っていく。

 

31. Shlohmo - Bad Vibes(2011)

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フライング・ロータスを掘り下げてるときに見つけたんだけど、これもかなりかっこいい。

アルバムの中でいきなりアンビエントやフィールドレコーディングみたいな曲あったりして、けっこうぎょっとするけど、この路線の曲もかっこいい。

 

30. NIPPS - MIDORINOGOHONYUBI PRESENTS MIDORINOGOHONYUBI MUSIC(2002)

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Buddha BrandNIPPSのソロとしてのリリースなんだけど、純粋なソロとしての曲の比重は半分くらい。BLACK SMOKER勢やBuddha Brandの他メンバーがやりたい放題してる感じ。何故か統一感があるんだよな。NIPPSが最高なのは言うまでもなく、トラックがどれも異常なほどドープで最高。

 

29. 小沢健二 - 球体の奏でる音楽(1996)

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「Life」の次作。アルバム通して20分強しかないEPがみたいなフォーマットのアルバム。これくらいの長さが一番聞きやすい。

東京スカパラダイスオーケストラの面々が参加、全編ジャズアレンジで聞きやすい。こんなに聞きやすいアルバムなかなかないと思うんだけど、どうですかね。

「大人になれば」と「ホテルと嵐」がめちゃんこ良い訳なんですよ。

小品の最たる例といった感じ。

 

28. John Barry - Goldfinger(1964)

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007のゴールドフィンガーのサントラ。007のサントラかなり好きなものが多いんだけど、その中でも特にこれはゴージャスでクールで最高。メインタイトルで持っていかれる。

 

27. Boards of Canada - Hi Scores(1996)

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傑作「Music Has The Right to Children」をさらに敷衍して再解釈したような音源が詰め込まれてて最高。ダンサンブルなものもあったりと、彼らの作品群の中ではより幅広いジャンルへの趣向が垣間見える。この人たちは本当にハズレがないと改めて思う。

 

26. Oddisee - Instrumental Mixtape Vol. 2(2006)

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もうほんと何者なの!!って感じで最高にかっこいい。ボリューム1もかなり素敵だったけど、負けず劣らずこの2も最高。こっちの方がややメロウだから上にしたけど、どっちも素晴らしい。

 

25. Oval - Ovalcommers(2001)

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オーヴァル、久しぶりに聞いてたらかっこよすぎてこの前くらいまで一時期ずっと聞いてた。90年代のシンプルめなグリッチも渋くてかっこいいけど、このアルバムでは、大きな工場が何らかの問題によって全部ストップしてしまった時にけたたましくそこかしこで鳴り出す、システムエラーコールの轟音の嵐みたい(伝われ)で最高にかっこいい。

 

24. Oval - Ovalprocess(2000)

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こっちはさっきのアルバムに比べてやや音数は抑えられているけど、それでもかなりノイジーだ。

音が重なりあい続け極限まで達すると無音になるのを疑似体験できるアルバムだと思っていて、色んな音が鳴っているのにどこか深海の底にいるような、大きな何かに包まれているような寂寥感すら覚える。

 

23. Oval - Pre/Commers(2000)

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オヴァルコマースの前日談のような位置づけのアルバムで、これもかなり良い。彼の作品全てに共通するけれどどこかメランコリックで、意図的にこの音を生み出している彼は天才だと思う。

 

22. People Under The Stairs - O.S.T.(2002)

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ジャケットからも想像できる感じの最高に気持ちいいヒップホップがここにある。彼らのアルバムの中でも一番メリハリがあって聞きやすいのはこれ。ビートが本当に全部かっこよくてどんな脳味噌してたらこんなとろけるような気持ちいいサウンド生み出せるんだ。

 

21. Sunny Day Real Estate - How It Feels To Be Something On(1998)

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サニーデイリアルエステイトの3rd。1stの「Diary」がエモというジャンルの中でも名盤とされているようだけど、このアルバムのほうが圧倒的に完成度が高いと思う。

ギターのフレーズがメロディアスで最高なのに加えてボーカルが過剰に呪術的でこれも併せて最高。エモ界のレディオヘッドと呼ばれているとかなんとか聞いたことあるけど、確かに「OK Computer」っぽい要素もある。こっちのほうが好きだな。

 

20. Oval - Szenariodisk(1999)

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アンビエント寄りの楽曲とグリッチ寄りの楽曲が交互に収録されてるオーヴァルのEP。収録時間も20分強で最高。「Ovalprocess」や「Ovalcommers」みたいにアクが強いわけじゃないけどこれは聞きやすくてすごくいい。オーヴァルの中で一番好きだ。

 

19. People Under The Stairs - Question in the form of an Answer(2000)

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音の抜け感がすごい。一生モノ。

 

18. RCサクセション - シングル・マン(1976)

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これは過小評価じゃないかもだけど、RCサクセションの中でも一番好きだ。どれも歌詞が気が利いてて良い。

 

17. Sora Tob Sakana - Sora Tob Sakana(2016)

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ポストロック✕アイドルというカテゴリなんだけど、これがまた良い。Toeみたいな超絶技巧ポストロックでやたらエモいバックトラックに女の子の声が乗るんだけど、これが最高にマッチしている。

轟音の中に囁くようなボーカルを乗せるシューゲイザーなんかと同じ手法であるように思う。

ジャケットからも読み取れるように、インターネットが普及して以降の皆の共通認識の中にある理想的な夏の風景や陽射し、暑さ、匂いまでも上手く狙い撃ちして音像化したアルバムだと思う。普通に傑作。

 

16. バニラビーンズ - バニラビーンズ(2009)

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渋谷系リヴァイバルの中でもかなり良く出来たアルバムだと思う。シンバルズのような優等生的楽曲がこれでもかと収録されてる。ボーカルが感情を極力排してメロディを沿うだけに特化しているのも良い。

 

15. 2H Company - Психохирурги(2005)

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キリル文字なのでなんて読むかわからねえけどめっちゃかっこいい、ロシア産ヒップホップ。

DalekやCompany Flowなんかに近いような印象を受ける。淡々とした無機質なラップも最高にかっこいいんだけど、中でも特筆すべきはトラックで全編どこか近未来的で最高にかっこいい。

ジャケットがヤバすぎる。

 

14. 相対性理論 - アワーミュージック(2010)

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相対性理論のこれめっちゃ好きで未だに聞いてる。今の相対性理論もかっこいいんだけど、どうしてもこのころのやくしまるえつこのエモくなさがすごくいい。アルバムタイトルの元ネタは勝手にゴダールの「アワーミュージック」だと思ってるけどどうなんだろう。

サティのジムノペディみたいな曲もあったりして、どこか別の世界の音楽みたいだ。

 

13. Shing02 - 緑黄色人種(1999)

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岡村靖幸の「家庭教師」、小沢健二の「Life」、THE BLUE HEARTSの「THE BLUE HEARTS」のように邦楽を代表する名盤だと思う。その中でもなのるなもない等と並ぶような言葉遊びを超えた歌詞に、耳に残るトラック、「七人の侍」などからサンプリングされた元ネタの幅広さ具合から見ても日本の音楽の最高峰だと思う。個人的に邦楽ユーモア部門一位。

 

12. Tenorio Jr. - Embalo(1964)

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ひたすら良い。グッド・ミュージックの行き着く先。

 

11. ドミコ - Delivery Songs(2015)

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ディアハンターの「Microcastle」のような幽玄ネオサイケの路線を受け継いだ日本のバンド。シンプルな曲構成なものが多いけれど、耳に残る最高にクールなフレーズが次から次へと飛び出してくる。バンド形態の日本の音楽で今一番好きだ。

 

10. 大森靖子 - TOKYO BLACK HOLE(2016)

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「絶対少女」が彼女のピークかと思っていたらもっとすごいのをリリースして驚いたのと感動したのを覚えている。

弾き語りが彼女の本領なんだろうけど、それ以外のサウンドプロダクションでも十分素晴らしいものを生み出せることを証明した一作。聞きすぎて正常な判断が出来ないってのもあるけど、全曲捨て曲無しの良質J-POPアルバムだと思う。一番最初の曲のイントロのギターでもってかれる。

大森靖子&ピンクトカレフ名義での「トカレフ」もバンドアレンジでかなりかっこいいのでこちらも是非。

 

9. 吉田美奈子 - FLAPPER(1976)

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ティンパンアレイが関わった中でも最高傑作の部類に入ると思う。捨て曲なし。個人的にマリーナ・ショウの「Who Is This Bitch, Anyway?」を思い出すような傑作。

 

8. Basic Channel - BCD-2(2008)

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踊れるインダストリアルの鉄板。なんでこんなシンプルで飾りないのにこんなにダンサンブルなんだろう。

 

7. 小坂忠 - ほうろう(1975)

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日本で一番最初のR&Bがこんなに素晴らしいなんて。

 

6. 七尾旅人 - オモヒデ オーヴァ ドライヴ(1998)

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 七尾旅人の1stと2ndも入れる予定だったんだけど、↓で紹介したからもういいやと思って入れなかった。あの二枚も最高に過小評価だと思うの。

galaxypimptaste.hatenadiary.com

で、これは七尾旅人の1stシングルなんだけど、最初からもう完成してる。表題曲以外の曲も全部素晴らしくて、もうほんとすごい。この頃の2ndアルバムくらいまでのシングルはカップリング含めどれも最強なので是非他のも聞いて欲しい。

八月になると聞いてしまう。

 

 

5. You Don't Know The Half(2004)

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Halftooth Recordsとかいうヒップホップ系の無名レーベルのコンピレーションなんだけど、どれも最高にかっこいい。Oddiseeもこのアルバムで見つけた。無名レーベルのコンピレーションとして見逃すのにはもったいなさすぎる出来。

 

4. Vangelis - Blade Runner(1994)

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ブレードランナーの続編公開しますね。最高じゃないですか。

映画もすげえ良いんだけどサントラも最高でかなりスペーシーなアンビエントで最高(最高)。

睡眠導入剤としてもおすすめ。

 

3. Jozef van Wissem / Sqürl - Only Lovers Left Alive(2014)

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ジム・ジャームッシュ監督の「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ」のサントラ盤。ジム・ジャームッシュもソングライターとしてクレジットされてるんだけど、これがもう本当に最高でさ、映画同様に耽美でダウナー。アラビア語で歌ってる曲もあったりして呪術的でとにかくかっこいい。ネオサイケに分類されるのかな。Slintの「Spiderland」やUnwoundの「Leaves Turn Inside You」のような名盤の雰囲気すら感じる。ぶっちゃけ映画より好きだ。

 

2. 塊フォルテッシモ魂(2004)

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サントラばっかりで申し訳なくなってきたけど、この塊魂のサントラもすごくいい。

渋谷系リヴァイバルやラウンジのような音作りなんだけど、この完成度が異常に高い。サントラとしては珍しく、思いっきりボーカルをフューチャーしたようなゴリゴリのJ-POPめいた曲がたくさんあって普通にアルバムとしても聞きやすい。

塊魂というゲーム自体もかなりの傑作ということもあり忘れられがちだけど、このサントラも本当に素晴らしい。

演歌界から新沼謙治水森亜土チャーリー・コーセイなどかなりバラエティ豊かに幅広くゲストボーカルを招いてるのも良い。新沼謙治のラップがかなり良くて笑う。

ポップミュージックの極みみたいなアルバム。

 

1. 青葉市子 - 0%(2014)

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青葉市子のライブアルバム。

オリジナルアルバムの「0」も素晴らしいんだけど、こちらはさらにフィールドレコーディングの要素なんかも加わっていたりして原盤よりも良い。

フィジカルでのリリースはなく、デジタルダウンロードのみでしか手に入れることは出来ないけど、これは本当に素晴らしすぎるので手に入れたほうがいい。

青葉市子はほんとうにハズレ無しですごいな。

どこかでも言及したけど、10年代の日本の音楽の中で一番好きなアルバム。

 

 

 

 

過小評価じゃねえよバカ、みたいなアルバムも何個かあったと思うけど、ここに挙げた全てを知っていた人はまずまあいないと踏んでいるので許してもらいたい。もっと入れたいのもあったけど、さすがに疲れたのでこのへんでやめておく。

どうでもいい情報として、最近聞いてる音楽の傾向が、青春時代や学生時代をあまりキャッチーでもない音楽を聞き続けてきた反動がやってきたせいであるのか、やたら大味なポップスやJ-POPを聞いてる。その影響が後半の邦楽連打につながったのかもしれない。小泉今日子がかなり良いのに気づいたりね。あとさっき「男と女」のサントラがかなり良いことに気づきました。こちらも是非。

また紹介したいようなアルバムが溜まってきたら第二弾という形で発表したいですね。はい。

それでは今回はここらでさようなら。