邦画ベスト

今まで見た邦画を整理した。いい映画は好きな映画足り得ないし、好きな映画は良い映画だと必ずしも言い切れない。

 

50. ブラックキス (2004) 手塚眞

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49. 泥の河 (1981) 小栗康平

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48. HOUSE (1977) 大林宣彦

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47. 八月の濡れた砂 (1971) 藤田敏八

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46. 細雪 (1983) 市川崑

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45. タンポポ (1985) 伊丹十三

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44. 溺れるナイフ (2016) 山戸結希

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43. 天然コケッコー (2007) 山下敦弘

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42. 浮き雲 (1955) 成瀬巳喜男

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41. 羅生門 (1950) 黒澤明

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40. 野獣死すべし (1980) 村川透

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39. 1999年の夏休み (1988) 金子修介

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38. 百円の恋 (2014) 武正晴

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37. Dolls (2002) 北野武

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36. 超能力研究部の3人 (2014) 山下敦弘

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35. 仁義なき戦い 広島死闘篇 (1973) 深作欣二

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34. HAZARD (2002) 園子温

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33. ラブホテル (1985) 相米慎二

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32. 六月の蛇 (2002) 塚本晋也

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31. 桐島、部活やめるってよ (2012) 吉田大八

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30. リアリズムの宿 (2003) 山下敦弘

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29. 害虫 (2002) 塩田明彦

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28. ツィゴイネルワイゼン (1980) 鈴木清順

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27. 砂の器 (1974) 野村芳太郎

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26. 台風クラブ (1985) 相米慎二

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25. 晩春 (1949) 小津安二郎

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24. 息子 (1991) 山田洋二

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23. この世界の片隅に (2016) 片淵須直

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22. ときめきに死す (1984) 森田芳光

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21. ディアーディアー (2015) 菊池健雄

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20. 砂の女 (1964) 勅使河原宏

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19. Wの悲劇 (1984澤井信一郎

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18. スローなブギにしてくれ (1981) 藤田敏八

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17. 横道世之介 (2013) 沖田修一

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16. 愛のむきだし (2008) 園子温

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15. 東京物語 (1953) 小津安二郎

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14. 殺しの烙印 (1967) 鈴木清順

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13. CURE (1997) 黒沢清

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12. どこまでもいこう (1999) 塩田明彦

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11. 大いなる幻影 (1999) 黒沢清

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10. 恋人たち (2015) 橋口亮輔

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9. 天国と地獄 (1963) 黒澤明

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8. 青い春 (2001) 豊田利晃

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7. 女囚701号 さそり (1972) 伊藤俊也

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6. ソナチネ (1993) 北野武

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5. 夢二 (1991) 鈴木清順

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4. 月光の囁き (1999) 塩田明彦

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3. そこのみにて光り輝く (2013) 呉美保

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2. 3-4x10月 (1990) 北野武

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1. 46億年の恋 (2005) 三池崇史

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気怠い雰囲気の映画ばかりになっちゃった。

悲しい気持ちになってしまって何もすることができない。今まで月に何度かこういう日が繰り返しやって来るからなんとかして乗り越えていたはずだけど、今回のは厳しい。
久しぶりに旧友と会った。
今日はとても晴れていて冬なんてのは空想上のものだと思えるほど遠くにあるような気がした。完全に春だった。
色んな話をしてお互いに別れて家に着いたと同時に悲しい気持ちに襲われた。
春は季節の始まりだから疎遠になった友人達のことを思い出してしまう。
故郷を離れてからそこで僕だけ時間が止まっているような気がする。上手く前に進むことができない。
悲しい気持ちとはまた違うのかもしれない。待ち合わせ場所に時刻になっても誰も来ないような不安さ。時間の流れが僕の心臓をキリキリと締め付ける。知らない街で迷子になってしまったようでもある。世界で一人ぼっちになってしまったのかもしれない。
こういう莫大な空白の時間を埋めるために映画や本に耽溺しているけれど今日みたいな日はそういう行為に耽ってみても虚しく感じるだけで何も味がしない。五感が全て失われたのに意識だけあるみたいだ。吐き出す場所さえない。
思い出になってしまった人たちは僕にとってはもう遠くの惑星で暮らしているのとなんら変わりはなくて。
季節が変わるごとに流動的に人間関係を清算していくしか処世術を知らない無知な僕はこれから先もこうやって生きていくしかないらしい。
今日に至ってはお腹も空かないし眠くもならない。久しぶりに吸った煙草は味がしなくて一口で捨てた。酒を飲んだらきっともっと死にたくなるだろう。
不時着した宇宙船から救助信号を待つような夜は続く。
次第に訪れる眠気に身を任せよう。明日の朝の光に包まれて今日の憂鬱なんて全て忘れて新しい気持ちで始められるように。

祈りながら僕は目を閉じる。

人にプレゼントをあげる

 

人にプレゼントをあげるのは難しい。

 

元来人には二種類の人がいる。プレゼントをあげる側の人とプレゼントをもらう側の人である。

このことは二人以上の人が集まると、してあげる側の人間としてもらう側の人間に分かれるようにギブアンドテイクの50-50の関係ではない。僕はどちらかというといつもプレゼントをもらう側の人間であり、してもらう側の人間であるように思う。ありがたいことだ。

 

どこかでみうらじゅんがSとMの関係のことを「SはサービスのS、Mは満足のM」と言っていたがこれは言い得て妙だと思う。SMの話にこじつけるのもどうかと思うが、Sが主格でありMを従事させているのではなく、Mを満足させるためにSは相応のものを与えるという主述の関係の話を言いたかったけれど、なんだか話がこんがらがってしまった。関係ないけどロマン・ポランスキーの「毛皮のヴィーナス」はこれを題材にした映画で、かなり良く出来ているのでまだ見ていない人は是非見たほうがいい。

 

SMの話は置いといて、そういう与える与えられるの関係において、与えられる側の人間は、一転して与える側にまわった時にどうすればいいのかわからない。プレゼントの問題はまさにこれだ。

 

僕が付き合ってきた女の子はみんなこれまで与える側の人で、プレゼントをたくさんもらった。僕が何を返したらいいのかわかんなくて正直にそう伝えると、「あなたが選んでくれたものは何でも嬉しい」といつも決まって返される。そんなわけないし、なんの回答にもなっていないけれど、やっぱりちょっと嬉しかったりする自分もいて、僕はいつもそうやってプレゼントを何あげたら良いのかという問題を先送りにしてきた。

 

ここから先に話すことはサイコパス、薄情者、と罵られる事覚悟の上で言うけれど、僕はプレゼントをもらうのがかなり苦手だ。いつかなくなってしまうものだったらまだいいんだけど、服やアクセサリー、写真やその他のもののように残ってしまうものをもらった時にどうすればいいのかわからない。自分の趣向と違った場合には尚そうだ。それでも僕はいつももらったプレゼントを全て身につけてダメになるまで使う。それでも、ものがダメになるっていうのはそう簡単にはいかないから部屋にはもういなくなったかつての恋人たちが残していった僕へのプレゼントで溢れかえっている。別れたんならもらったものも全て捨てちゃえばいいじゃん、と思われるかもしれないけれど、僕のもとにやってきたプレゼント自体に罪はない、と思ってなかなか捨てられない。

 

こんなセンチメンタルな話をしたいんじゃないんだ、もっと前向きな話がしたい。

 

プレゼントをするのが得意な人に聞いてみると「あの人に似合いそうだから」だとか「喜んでもらえると思って」のように全く自然に振る舞う。僕はそういう人のキラキラしたなにかを見つめて僕もこんなふうになれるといいな、といつも強く思う。

プレゼントそのものをどうしたらいいのかわからないのであって、プレゼントをくれたという気持ちはいつも感じるしうれしいから、別にお返しを求めてるわけじゃないよ、といつも僕にくれる人たちは言ってくれるけれど、僕もプレゼントがしたい。なにかいいものはないか。

 

よくわかんないけど、プレゼントが上手い人って普段から人にものをあげる習慣があるんだろうな、とはよく思う。何事も経験だ、とはよく言うけれど僕なんかよりも圧倒的にあの人にはなにが似合うんだろう、だとか、これをあげたらきっと喜ぶに違いない、みたいな思考実験を繰り返しているんだろうな。

僕もたまに気が向いて人にプレゼントをあげたりするんだけど、上手くいった!という手応えがあったことがあまりない。でも別にいいんだなそんなことは。自分が相手に対して喜ばせたいと思っていますという意思表示さえできたらそれでいいんだなきっと。これを書いていてそんな気がしてきたよ。

 

そんなわけで、最近人にプレゼントを送りたいと珍しくいろいろ探してた。というのも、高校時代の親友だったやつが日本に帰ってくるからだ。そいつは海外にしばらくいて、どうやら今年の4月にこっちに戻ってくるらしい。たまに連絡を取るんだけど、前連絡した時に「ロンドンにお前に似合いそうなものがたくさんあったからそれを買い占めてきた」と連絡をくれた。だから今プレゼントについて考えてたってわけ。そいつ自身はかなりハイセンスな男だからプレゼントもさらに考えこんでしまうよ。

 

そんなわけで色々考えてなにあげたらいいのかもうわけわかんなくなっちゃったけど、とりあえずあげるものを決めた。いつも僕が身につけてる一番のお気に入りのブレスレットをあげることにしよう。新品じゃないし、かなり独り善がりだけど、あいつにも似合うと思うし、なんてったってエルメスだからな。「気に入らなかったら売ってくれ」みたいに軽口叩くのも悪くないな。如何にもプレゼント用意してきました、っていう感じじゃなくて、それなら俺はこれやるよ、みたいな今その場で決めた雰囲気で渡したら尚かっこいいんじゃないか。それで決まりだな。

 

喜んでくれるといいな。人にプレゼントをあげるっていうのはこういうことなのかやっとちょっとわかった気がしたよ。

 

 

 

 

 

文章が読まれる速度

 


文章を読む速度に適正があるように、文章が読まれる速度にも適正があるのかもしれない。

 

 

 

ここで言う文章を読む速度というのは、個人個人が読んでいる文章の意味や意図などの内容を理解できる速度を適正速度として考える。

 

この、文章が読まれる速度に関してはインターネットで検索しても誰も言及していない。恐らく誰かがしているのかもしれないが、少なくとも、この「読まれるスピード」というものを表すような言葉は存在しない。

 

 

 

こういったブログなどの文章は、伝えることに主眼に置いた、あくまでもツールとしての”文章”であって、詩作などの表現媒体の一部としての「文章」には、書き手の想定した適切な「読まれるスピード」というものが存在するのかもしれない。

 

但し、詩や短歌、川柳、俳句やその他諸々の表現としての「文章」が、あくまで書き手による、理想的な読み手の解釈の最適解が存在する場合のみに当てはまる。

 

 

 

そもそも、書き手が想定する解釈というものが前提にある「文章」というのは、果たして本当に根源的な表現という考え方に反していないのか?

 

というのも、ある「文章」が作品として成立して作者の下から離れた場所にあるとき、その作品の解釈というのは、裏付けや、製作背景、時代背景などを超えて、読み手に委ねられるのが、こういったあらゆる創作物を評価する上での基本となるのでは、という考えも浮かぶ。

 

また、やはり文章というコミュニケーションツールの特性上、書き手が意図した早さで「文章」を読み手に伝えるというのはほとんど不可能に近い。

 


それでも、作者が作品を作るに至った原体験を普遍化、もしくは一般化するために、こういった「文章」での詩作、殊に叙情的な「文章」ほど、作品というフォーマットに落としこむのであって、やはりこの世にある、文章のみで構成される情感に訴えかけるようなものの多くは、「文章」は適切な速度が想定されることで、よりその原体験に近いような感覚を読み手に与えることができるのではないか。

 

ここで言う原体験に近いような感覚というのは(追体験とは微妙にニュアンスが違う)、書き手が、作品を残すまでに至った発見や感動などを、その原体験とほぼ同等に伝えるための表現としての「文章」であって、読み手が、作品を手にとって意図を読むところまでは、書き手が操作するためのこれも一種の表現として文章を読む速度というこれまでにない制約を加えても良いのではないか。

 

意図を読み取ったあと読み手がなにを感じるか、そこからはその人自身に委ねられているのであって、書き手の意図した文章を読みこぼさないためにも、やはり文章を読む速度という新しい指標を確立するべきではないか。

 

 

 

この文章を読む速度というのは、意図を読みこぼさせないために、スピードを落として読んでもらう一辺倒ではない。

 

文章というツールの持つ性質上、文字そのものを大きくしたり、色を変えたりしない限りは、その文章の芯となる箇所も末端の枝葉となるような文章も等価として扱われる。

 

そういった場合に場面場面でここは前振りに相当する部分であるから斜め読みする箇所、など読ませるスピードを早めたりすることも可能である。

 

また文章はオンラインの場所以外で一旦生み出されたものは修正不可能であるということが大前提ではあるが、前振りに相当する部分であるから、作者の意図通り斜め読みで読んだ後、よくよく時間をかけて読んでみると実は重大なトリックが隠されていた、などの新しいレトリックの獲得にも繋がる。

 

 

 

本当に文章の上手い人はそういう全てを織り込み済みで「文章」を書けるんだろうな。なんともここで論じたこの「文章」も不毛なものになってしまった。今回ここで思ったことは全て斜め読みで読めという僕の願いも込められている。

 

 

2018年のやりたいことリスト

 

もうすぐクリスマスだな、と思っていたら今日はもうクリスマスイヴなんだってさ。季節は来るよりも行くばっかりでやるせない。

 

2017年は目標もたてず、ぼんやりと生きていたので2018年こそはラブリーに生きるためにもやりたいことをリスト化して充実した年にしたい。

 

・京都か大阪で美味い飯屋、もしくはいい感じの喫茶店を見つける*1

 ・人を褒めすぎない*2

・30冊以上は本を読む*3

・一人で遠くへ旅する*4

・やばくなったらなるべく早く人に言う、自分だけ傷つけばいいと思わない*5

・映画を100本以上見る*6

・休日の自分なりのルーティンを決める*7

・どんなときも遅刻はしない*8

・電気を点けたまま寝ない*9

・ごはんの前後にいただきます、ごちそうさまと言う*10

・テキトーな服で外をフラフラしない*11

・このブログも最低月一くらいで更新する*12

 

そんなに難しいリストでもないので8割強は達成するぜ。

 

2018年の暮れに答え合わせして素敵な年にしよう。

 

 

 

*1:大きい都市にひとつずつくらいあれば最高

*2:思ってもないことを言うのはよくない

*3:最近本読めてないんだよな、娯楽の中でもかなりおもしろいことは知ってるんだけど忍耐力が足りない。月に3冊読むための生活リズムを作るところから始めよう

*4:今年ずっと行きたかった鳥取砂丘へ行けたので、来年こそはずっと行きたかった場所パート2の白神山地へ行ってみたい

*5:報連相がどうしてもうまくできないけど、人に頼ることのラクさを覚える。意外に人は頼られると引き受けてくれる

*6:引き続き暇な時間を可視化し続ける

*7:休日になってから何するか決めるんじゃなくて予めいい感じのルーティンを設けて生活の幸せ効率を上げる

*8:初心を忘れないように

*9:めちゃくちゃ眠たくても電気消すくらいはできたらいいね

*10:手を合わせて心の中で言うのでもOKとしまう

*11:最近テキトーな服で外に出て思わぬ人と会ってギャーとなったので

*12:自分の総括、もしくはちょっと役立つ情報を定期的に纏められるといいな

新しいものが怖い

 

新しいものが怖い。

何言ってるかわかんねーと思うかもしれないけど新しいものが怖い。

 

具体的には、「新しく遭遇する過剰におもしろいものが怖い」のである。

 

新しく遭遇する過剰におもしろいものっていうのは、ひとによってそれぞれ違うからなんとも言えないんだけど、ここに新しいもの怖い論を展開していきたい。

 

 

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日常のささやかな楽しみとして、映画を見ることが日課になっている。

 

この前「ライフ」という2017年の夏に公開されたSFパニックホラーのジャンルムービーを見ていた時にこのもやもやしていた今までの思い、というかそれほど意志のあるものではないけれど感じていたものの全容の輪郭が見えてきた。

 

 

以下予告編↓


映画『ライフ』予告編

 

見た映画の話に戻るけど、この「ライフ」という映画が良く出来ていて、主演のジェイク・ギレンホールはもちろんのこと、ライアン・レイノルズレベッカ・ファーガソンや日本からは真田広之ら実力派俳優がすごくいい。

ぶっちゃけ話自体はエイリアンの現代版というかそれ以上でも以下でもないんだけど、予告編見てもらったらわかるとおり、おもしろそうで最高にゾクゾクする。実際最高におもしろい。

 

この「ライフ」が思った以上に良くて、こういうジャンルムービーを見るときって、如何にそれまでのジャンルムービーとしての型にハマったストーリーラインやらプロットを壊して新しいものを見せてくれるかがこの手の映画の評価のキーポイントになってくるだろうけど、この映画では目新しい設定やアイデアはほとんどない。

唯一あるとすれば、予告編でもある、手(というか指)破壊描写だけど(殺し屋1みたいにこっちまで痛みが伝わってくるような最悪(で最高)なシーンだった)基本的には想像しているもの以上のものは出てこない。

でも今まで散々見てきたようなこの手の映画のお約束を完璧に再現している上に、細かいところでの気配りもめちゃくちゃできてる。

こういう映画を見るときに観客が欲しい要素が全部揃ってる。エイリアンの造形もキモすぎて最高だし、スペースシップのクルーのキャラも立ってるわ、マジで最高。ほんとすげーウェルメイドな作品であることは間違いない。オチなんかも最高に良くて、SF映画でありがちなインテリぶった終わり方じゃないのもすごくいい。マジで大好きな映画になってしまった。

 

個人的にはこういうSFホラー好きな人になら間違いなくハマる100点の映画だと思っていて、もうこれが過剰におもしろすぎた。

 

 

 

映画の話はこれくらいにして、新しいものが怖い論に戻る。

 

これはこういう映画を見るという体験の上では一番のものだと思うんだけど、この映画見ている間中、過剰におもしろすぎて気が気じゃなかった。

もちろん、こういう映画は大好きだから何回もアホほど見てるのに興奮が止まらなかった。

 

これは、ほんとに100%楽しんでるからよかったじゃねーか、と思われるかもしれないんだけど、過剰におもしろすぎるのをどうにかしてくれ!!!!!!

こっちは見てる間高ぶりすぎて気が気じゃないんだよ!!!!!

見てる間心臓がバクバクで、ああこいつ死ぬな、とかはしっかり頭ではわかっているのにどうしてもドキドキしてしまう。

 

普段生きてる生活圏では刺激の閾値が狭すぎて、どうしてもそれを超えてくるような、自分の興奮の受け皿に耐えうるのより遥に大きい興奮が上から降ってきてもどうしても全部はすくいきれない。

 

こういう状況になってしまうと、映画を見ている間、もちろん最高に自分が楽しんでいることはわかっているんだけど、早くこの映画が終わってくれ、とさえよく思う。

映画が終わることによってこの興奮体験をも自分の一部にしたいのだ。そうしないと予測不能な過剰な面白さが全力でぶつかってきた時に身がもたない。

 

映画を見終わって自分の一部になってしまいさえすればもう自分の意志とは関係なくドキドキすることもないし、穏やかな日常生活に戻れる。その後、今見た映画おもしろかったな、あのオチが最高だった、あのシーンは本当にハラハラしたなあ、などと安全圏から思い返すことができる。

 

そう、過剰におもしろすぎる映画を見ている間は戦場の最前線にいるような気分なのだ。もはやここまできてしまうと、過剰に面白すぎるが故の興奮がストレスにまでなってしまっているのではないかと思うこともある。実際にはそんなことないけどね。

 

 

これは映画に限った話ではなく、あらゆることに通底する話だと思う。

 

例えば名前だけ知っているようなミュージシャンのアルバムの1曲目が予想以上に良くて2曲目以降も自分の好みとほぼ完璧に一致してしまった場合。

僕自身はこういう状況に陥ると、そのミュージシャンのディスコグラフィが多ければ多いほど目眩がする。

ああ、こんなに自分の好みのがあって、それを一つ一つ聞いていかなければならないのか、と。嬉しい悲鳴とはまた違った、やらなければならないタスクの終わりが見えないような途方もない虚脱感。

決して無理に聞いているわけではないので実際にはやらなくてはならないタスクのようには全く思わず、ここはあくまで例えとしての表現であって、実際には早くこれらも全部聞いて自分の一部にしたい、早く安全圏から語りたい、という願望の裏返しであって、喜ぶべき状況である。

 

そう、こういうことがあるから新譜を聞くのには体力を使うよな。普段から聞いてる、もう自分の一部になってしまったものの従順なこと。安心感すらある。だけど、新譜にはそれがないので、いつもやや緊張しながら聞いてしまう。

 

初対面の人と話すときの緊張感にも似ている。やっぱり知らない人と話した後は普段よりどうしても疲れるあの状態に少しだけ似ている気もする。人見知りじゃない人でもこういうこと思ったりするのかな。

 

どうなんだろう、これは俺が神経症なだけなのか。そんなことはないと信じたい。

俺なりのデヴィッド・ボウイ論

俺なりのデヴィッド・ボウイ

 デヴィッド・ボウイがやっぱり好きだ。「スケアリー・モンスターズ」を聞いて改めて思った。デヴィッド・ボウイについて考えるといつも胸がドキドキする。これは恋なのかもしれない。

 

デヴィッド・ボウイについていつも何かしら考えているので、書けるだけここに吐き出す。

 

デヴィッド・ボウイとの出会い 

デヴィッド・ボウイを初めて聞いたのは高校のころだったように思う。

僕自身は音楽でも映画でも掘っていく時に、系統樹的分析の仕方というか、こう系譜としてある文化を眺めるフェチズムがあるらしい。年表みたいなものが好きなんだ。今となってはどうやって辿り着いたか忘れちゃったけど、グラムロックの進化系のジャンル(ゴスだったり、V系とかみたいなやつ)から遡って辿り着いたように思う。それまでは名前だけは聞いたことあったんだけど、どうしてもディスコグラフィが多すぎてイマイチ食指が伸びなかったんだろう、きっと。今でもそういうのあるし。

 最初に聞いたアルバムが「Hunky Dory」だったんだよな。「Life On Mars?」目当てで聞いてみたんだと思う。これがすごく良くて、見つけてから他のものに手を出さずずっと聞いてた。ジャケも死ぬほどかっこいいし。今でもこのアルバムはかなり好き。他のアルバムに比べてコンセプチュアルじゃないのも良い。純粋に良い曲がたくさん収録されててアクが少なくて聞きやすい。

こんな感じで「Hunky Dory」→「Ziggy Stardust」→「Low」→「Heroes」の王道コースでドハマりしていった。

 

ディスコグラフィ

デヴィッド・ボウイ弱者の人たちのために彼のディスコグラフィやキャラクターの時期、アルバムごとの聞きやすさなどを紹介する。 

エクセルで下の表に簡単に纏めたので把握してほしい。

 

デヴィッド・ボウイディスコグラフィと変遷      
アルバム リリース年    キャラクター 聞きやすさ
デヴィッド・ボウイ  1967 シンガーとしてのボウイ ★★
スペース・オディティ  1969 シンガーとしてのボウイ ★★☆
世界を売った男  1971 グラムロック以前 ★★★
ハンキー・ドリー  1971 グラムロック以前 ★★★★★
ジギー・スターダスト  1972 ジギー・スターダスト期 ★★★★★
アラジン・セイン  1973 ジギー・スターダスト期 ★★★★
ピンナップス  1973 ジギー・スターダスト期 ★☆
ダイアモンドの犬  1974 シン・ホワイト・デューク期 ★★☆
ヤング・アメリカンズ  1975 シン・ホワイト・デューク期 ★★★
ステイション・トゥ・ステイション  1976 シン・ホワイト・デューク期 ★★★☆
ロウ  1977 ベルリン三部作 ★★★★☆
英雄夢語り  1977 ベルリン三部作 ★★★★
ロジャー  1979 ベルリン三部作 ★★★☆
スケアリー・モンスターズ  1980 ニューロマンティック ★★★☆
レッツ・ダンス  1983 ニューロマンティック ★★★★
トゥナイト  1984 ニューロマンティック ★☆
ネヴァー・レット・ミー・ダウン  1987 ニューロマンティック
ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ  1993 エレクトロサウンド期 ★☆
郊外のブッダ  1993 エレクトロサウンド期 ★★
アウトサイド  1995 エレクトロサウンド期 ★★☆
アースリング  1997 エレクトロサウンド期 ★★
アワーズ  1999 原点回帰 ★☆
ヒーザン  2002 原点回帰 ★★★
リアリティ  2003 原点回帰 ★★☆
ザ・ネクスト・デイ  2013 復帰作 ★★★☆
ブラックスター  2016 遺作 ★★★☆

 

改めて見るとめちゃくちゃ曲発表してる。上にまとめたものは彼の代表的なアルバムだけであって、他にも「ティン・マシーン」 名義で90年代あたりに2枚ほどアルバム出したり(2枚とも大味な産業ロックと言った感じでこれといってなにか素晴らしいものではない、普通に失敗作だと思う)、ちょくちょくライブアルバムやベストアルバムも挟んでる感じ。

 

表の右端にある「聞きやすさ」ってのはあくまで一般的に言われてるボウイのアルバムの評価であって、作品の質と直結するわけではない。あくまで聞きやすさの指標としてお使いください。なんとなく汲んでもらえるだろうけど☆は★の半分くらいということでよろしくおねがいします。

 

一般的には「ジギー・スターダスト」で一回ピークが来て、後のベルリン三部作と呼ばれる3枚のうち一枚目の「ロウ」でもう一回ピークが来たと言われてるらしい。そんで「レッツ・ダンス」でアホほど商業的にも成功して(ここを3回めのピークと数える人もいるらしい)、それからのボウイは長い間低迷期に突入し事実上の引退状態に入る。いきなり発表された復帰作はかなり好意的に受け止められて、遺作の「★」で 〜そして伝説へ〜 状態になる。

 

個人的には低迷期と呼ばれる90年代の作品もほんとすげ〜と思っていて(ファンだからだと思うんだけど)、普通に全作品かっこいいから前評判とか気にせずにガンガンいろんなアルバムに手を出しまくって言って欲しい。ただし、「ネヴァー・レット・ミー・ダウン」、てめーはダメだ。

 

・全く聞いたことない人へのオススメアルバム

 

とは言っても、全く聞いたことねえ上にめちゃくちゃアルバム出してて何から聞けばいいかわかんねーよタコ、という人も多いと思うので、デヴィッド・ボウイに全く触れたことのない人へのオススメのアルバムを考えてみた。

 

「Hunky Dory」

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71年リリース。僕自身はこれでボウイの虜になった。ジャンルとしてはグラムロックに分類されるんだろうけど、フォーキーなアートポップでかなりかっこいい。ふつうに現在進行形の最先端USフォークに通じるような要素もしっかりあって聞きやすい。

ボウイの作品はコンセプトアルバムの体裁を持っているものが多いけれど、これはそういうコンセプトみたいなものはあまり感じられなくて、純粋に良い曲を詰めたようなアルバムに仕上がっている、コンピレーションアルバムのような作品。

レディオヘッドの「The Bends」期が好きだったり、後期ビートルズ、スミスなど、ややアンニュイなポップソングが好みの人におすすめできる。

 

「Hunky Dory」というのはeverything’s goodという意味のスラングらしい。

 

「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」

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72年リリースのボウイのアイコン的存在としても知られる、ジギー・スターダストの成功と失落を描いたコンセプトアルバムであり彼の代表作であるコレ。前作「Hunky Dory」が一年前に制作されたと考えると、70年代のボウイの曲作りのアイデアが抑えきれないほど精力的だったんだなあ〜すげえなあ〜と感慨に浸ることのできる一枚でもある。

イエローモンキーの吉井和哉毛皮のマリーズの志磨遼平なんかがめちゃくちゃ影響を受けているのがわかるとおり、グラムロックの魅力がこれでもかと詰まった一枚であり、耽美でメロディアスでポップで最高すぎる。そりゃ影響も受けまくるわってくらい最高にかっこいい。そういえば、元SMAP稲垣吾郎無人島に一枚だけ持っていくアルバムでこれを選んでたな。稲垣吾郎はボウイ要素もあるのかと思うとなんだか胸が熱くなる。

当たり前のように後進に影響を与えまくっていてBOOWYなんかは名前をモロ拝借してるし、北川景子と結婚したDAIGOもDAIGO☆STARDUST名義でソロ活動をしていたりしてる。そんな感じで現代のJ-POPの根幹に通底する、日本人にはかなり聞きやすい馴染のあるタイプの音楽であるように思う。

洋楽なんかに全く馴染のない人はここから始めてJ-POPとの類似点を見つけていってニヤニヤするのがいいのかもしれない。

あと、そうだ、このジギースターダストについてくるボーナストラックがすげえ良いので是非国内盤を手に入れてほしい。このボーナストラックとして収録されているアウトテイクはジギースターダストというコンセプトから漏れてしまったがためにオリジナル盤には収録を見送られてしまったものなので、クオリティはめちゃ高い。「Lady Stardust」なんかはデモ版もかなり素晴らしくて、オリジナルより更に枯れた、諦観めいたものが漂っていてこちらも劣らずすごくいい。レディオヘッドのベンズと同じく(こちらには「Killer Cars」と「How Can You Be Sure?」が収録されてて、オリジナル盤の終わり方よりも開けた終わり方をするのでこちらが好みの人が多いらしい)、このアルバムも是非国内盤を手に入れてほしい。

 

「Low」

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ベルリン三部作の一枚目でボウイの最高傑作とも名高い。内容としては、後に起こるポストパンクやニューウェーブを予感したようなものになっている。今聞くとシンセポップに分類されるようなサウンド。

オリジナル盤は11曲収録で、前半が歌モノ、後半はアンビエントになっているかなり尖った構成。ロキシー・ミュージックブライアン・イーノが制作にも関わっているように後半のアンビエント部は全てインスト。当時この後半のインスト部の評価もかなり高かったらしく、次作である「ヒーローズ」でも同様に、前半は歌モノ、後半はインストという流れでアルバムが構成されている。

 後半のインストの始まりの曲である「Warszawa」、ジョイ・ディヴィジョンの前身バンドであるワルシャワはここから取られている。

 正直、今聞くと楽曲の質自体は最高傑作という呼び声もある通り最高に高いんだけど、さすがにシンセポップとして前時代的すぎるというか、古い音楽であるということを念頭に置いて聞かないとちょっときついかもしれない。

ニュー・オーダーやその辺のニューウエーブ、YMOのようなスカスカのシンセポップが好きな人にはどハマりできるほど気に入ってもらえると思う。

 

「Best of Bowie」

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 とりあえず代表曲を網羅したい!という人はこのベストアルバムが一番無難であるように思う。

ディスクが一枚のものと二枚組のデラックスエディションがあるようだが、一枚の通常盤で十分。

「The Next Day」の後にリリースされた「Nothing Has Changed」も三枚組のものと二枚組のものがあって充実度は高いけど、40や60曲もあると息苦しくてなかなか聞けないと思うのでこの「Best of Bowie」で一通り知ることができる。このベストでなんか好きな曲見つけてオリジナルアルバムに遡るのが無難で良いと思います。クソほど月並みな意見で申し訳ありません。おしり。

 

 

・個人的デヴィッド・ボウイのアルバムランク付け

 

ボウイの作品はほとんどどれも素晴らしくて、サイコーなんだけど、これまでリリースされた26枚の彼のディスコグラフィから個人的に好きなものを並べてみたいと思う。

 

26. 「Never Let Me Down」

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ネヴァー・レット・ミー・ダウン」とかいうタイトルなのに酷く失望させる出来なアルバム。「トゥナイト」が失敗作として有名なあまり忘れ去られているが、これも酷い。デヴィッド・ボウイを語る上ではあまり登場することがないけど、「トゥナイト」といいこれといい、本当にもがいていて大変だったんだなあと同情してしまう。つまらないアルバムだけど、そのつまらなさが癖になってきて一時期いっぱい聞いてた。

 

25. 「Tonight」

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「レッツ・ダンス」の次に発表された、ボウイの失敗作としても名高いアルバム。ビーチ・ボーイズの「God Only Knows」のカバーだったり、ティナ・ターナーとのデュエットソングが収録されてたりと新しいことをしようとしているが、どうも上手く噛み合ってない。その中でも、おっこれちょっといい曲だな、と思ってクレジットを確認してみるとカバー曲だったりして、オリジナル曲は普通に捨て曲だったりする。

ネヴァー・レット・ミー・ダウン」よりも楽曲で聞かせようとしてる姿勢は評価したいのでこちらを上にしたが、どっちもどっちだと思う。

 

 

24. 「Black Tie White Noise」

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エレクトロサウンドへ転換した時期のアルバム。プロデュースは最近では(と言ってももう4年も前になるけど)ダフトパンクの「Get Lucky」でお馴染みのナイル・ロジャーズを迎え、ジギー・スターダスト期を支えた盟友ミック・ロンソンも参加した、かなり豪華な布陣で挑んだアルバ

ボウイ自身もこの時期に婚約したらしく、結婚についての曲が何曲かある。

致命的な失敗作というわけではないけれど、1曲1曲があまり印象に残らない上にアルバムとしてそこそこ長いので(70分くらいある)結果的にあまり聞かないアルバムになってしまう。

ジャケットもあんまりパッとしないので忘れられがちなアルバム。これを機会に今聞いてるけど悪くない、でも他のアルバムと比べるとやっぱりあんまり聞かないかな。

 

---------------------超えられない壁---------------------------------

 

23. 「Pin Ups

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ボウイのディスコグラフィ史上唯一のカバーアルバム。ゼム、ヤードバーズピンク・フロイドキンクス、フーといった豪華なラインナップだけど、ほとんど聞かない。わりと直球でカバーしちゃっててぶっちゃけあんまりおもしろくない感じもある。ピンク・フロイドの「シー・エミリー・プレイ」のカバーだけはなんか好きで聞いてる。

ボウイ自体はライブで他のアーティストをカバーすることも珍しくなかったらしく、ブートレグでその様子を聞いたりすることができる。

初期北野武映画でいう「みんなやってるか」のような立ち位置の、それまでのカリスマ像を壊す箸休め的な作品だと解釈してる。

 

22. 「Hours」

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ここからそれまでのエレクトロサウンドからも脱却して、原点回帰的作品も手がけていくんだけど、なんせ作品を漂うムードみたいなものがまったりしすぎていてかなり眠たくなる。近未来でどこか牧歌的なコンセプト自体はかなりかっこいいと思うけれど、これもあんまり聞かない。

 

21. 「David Bowie

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デヴィッド・ボウイの記念すべき1st。

もはや音が古すぎて初期ビートルズとかエレファント6の面々のようなサイケ感もある、演歌みたいなアルバム。でももうこのころからしっかりボウイ自身の声は出来上がっていて新鮮な感じ。

評価してる人滅多にいないと思うけれど、このサイケ感というか脳天気感、言わばバカ感はボウイの作品の中でも一番高いので結構聞いてる。

「When I Live My Dream」っていう曲がめっちゃ好き。

 

-------------たまに引っ張りだして聞く壁------------------------------------------

 

20. 「Earthling」

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ボウイのエレクトロサウンド最終章とも位置づけできるこのアースリングは1曲目からいきなりドラムンベースだったりですごい。かっこいい。

内容とあんま関係ないけど、この時期の悪役みたいなボウイの見た目も大好き。

 

19. 「Reality」

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「レッツ・ダンス」以降、引退して復帰するまでは、ボウイは終わった人のレッテルを貼られることもあるけれど、00年代に入ってからのボウイは胸を張って人に勧められるくらいかっこいい。あんまり新しいことはやってないけど、ソングライティング力の高さで魅せるような曲が多くて満足度はかなり高い。

このリアリティと同時に世界ツアーをするんだけど、そのときのボウイの見た目もハンサムなジジイといった感じで最高にかっこいい。

基本的に良く出来たアルバムだとは思うんだけど、ジャケットどうにかならんかったのか。締め切りに間に合わず途中で提出したのかってくらい酷い。それだけです。

 

18. 「Diamond Dogs」

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ジギー・スターダスト期とシン・ホワイト・デューク期を結ぶつなぎみたいなアルバム。

本人もこのアルバムのツアー中にこのアルバムのコンセプトであるジョージ・オーウェルの「1984」に飽きて、ブラックミュージックへの接近を図る。

アルバムとしてはそこそこまとまってる、あんまりとっかかりのない作品に仕上がっているけど、ボウイを代表する名曲「Rebel Rebel」が死ぬほどかっこいい。

僕のイメージするグラムロック観がここに詰まってる。

 

17. 「Space Oddity」 

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デヴィッド・ボウイの2枚目のサイケフォーク期。1作目より楽曲が洗練され、ヒッピーなボウイが楽しめる。このヒッピー路線のボウイは長くは続かなかったけれど、後の作品にも負けず劣らずのクオリティ。

 

16. 「The Next Day」

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前作「リアリティ」から事実上の引退を挟み、10年振りにいきなりリリースされた本作。「ヒーローズ」に「ザ・ネクスト・デイ」のロゴがコラージュされたジャケットを最初見た時には、最近流行りのTシャツみたいだな、と思ったら、ポール・スミスとこのアルバムのジャケのコラボTシャツも発表されたんだよな。ボウイの作品にリアルタイムで触れるのは初めてだったので、時代を切り取るアーティストと呼ばれる所以はこういう所にあるのか、となんか腑に落ちたような記憶がある。

全く関係ない話なんですけど、ポール・スミスからこの「ザ・ネクスト・デイ」と同時に、「ハンキー・ドリー」のジャケットのTシャツも売られてたから手に入れたんだけど、かっこよすぎて神棚に飾ってあります。

内容的には、オールドスクールの他のアーティストに比べてかなり実験的で、「レッツ・ダンス」で商業的にも大成功した以降にこの作品をリリースした意味を考えたい。

リリース当時はかなり好意的に受け止められていたけれど、時間が経って今ではだいたいこれくらいの位置に落ち着くと思う。

 

15. 「Let's Dance」

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商業的に大成功したこのアルバム。この大成功が後の彼を何年か苦しめているようにも見えてくる。

売れ線に走ったとかなんとか言われているけれど、別にそんなことはなくて割とこれまで通りのポップソングで、時代が落ち着いたという感じだ。

レオス・カラックスの「汚れた血」の主人公が走るシーンでも使われた「モダン・ラブ」が最高に好き。雨降ってきて、家まで小走りで帰っているときなんかは脳内でモダン・ラブが流れてる。

 

14. 「Heroes

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ベルリン三部作の真ん中に当たる今作は、前作「ロウ」の姉妹作に当たるような楽曲構成になっており、前半は歌モノ、後半はアンビエントという内容。

ヒーローズではキング・クリムゾンロバート・フリップも参加しており、ボウイのフットワークの軽さが伺える。

このアルバムの先陣を切る、「ビューティー・アンド・ビースト」が狂おしいほど好きだ。インダストリアルなのにめちゃくちゃポップで最高すぎる。

駅で電車待つとき、よくこのジャケのポーズでホームに立ってる。

 

13. 「Lodger」

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ボウイのアルバムの中では地味な存在だけど、これが良い。ベルリン三部作の最終作であり、次の「スケアリー・モンスターズ」から始まるニューロマンティック期への過渡期の作品でもある。

ボウイのアルバムの中で一番というわけではないけれど、彼のディスコグラフィの中でもかなり異彩を放ったエレクトロ・ファンクのような内容となっている。

どうでもいいけど、ボウイのジャケットの中でも指折りで好き。裏ジャケもかなりかわいいので、是非手にとって確認してみてください。

 

12. 「Outside」

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90年代のボウイの作品の中でも一番わかりやすくよく出来ていると思う。かっこいい。

収録時間が70分超えで収録曲も19曲とかなりボリュームあるけれど、楽曲がわりとしっかりかっこいいので均整のとれたアルバムになってる。

猟奇殺人がテーマで、このアルバムを含めて5部作にしたいとボウイは考えていたようだけど、いやそれは無理だろ、鬱々としすぎじゃねーか。14歳が考えたコンセプトアルバムかよ、と思ってしまう。

 

11. 「Young Americans」

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75年リリースのブラックミュージックに接近した一作。

75年リリースなのに、後の80年代の流行りを先取りしたようなサウンドとなっている。こう考えると自身のアイデンティティを確立しつつ、いつも時代の最先端を取り入れる彼のポリシーはかなりすごいな。横の時間軸で見た時にわかるボウイのすごさよ。

 

 10. 「The Man Who Sold The World」

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ジャケットからしてもう最高すぎる。妖艶すぎ。これと「ハンキー・ドリー」期の髪の長いボウイがたまらなく好きで、最高すぎる。最高すぎて語彙力がなくなってきてる。

「世界を売った男」ってタイトルがもう最高すぎるんだよな。

グラムロック×サイケデリアで暗く重い曲が多めだけど、どれももれなくかっこいい。1曲目がいきなり8分くらいある。

ニルヴァーナがMTVアンプラグドでカバーした表題曲も収録されてる。あのニルヴァーナのカバーも最高にかっこいい。

 

------------個人的名盤の壁--------------------------------------

 

9. 「Aladdine Sane」

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ボウイのアイコン的イナズマのメイクを施したジャケットが印象的なこのアルバム。iOSの絵文字にも採用されているくらいボウイの中ではポピュラーなモチーフ。

このアルバムの副題にもなっている戦争を絡めたコンセプトは、イエローモンキーの「EXPERIENCE MOVIE」にも色濃く反映されている。初期のイエローモンキーはボウイの完コピみたいでかなり好きだ。

前作「ジギー・スターダスト」が光であるならば、この「アラジン・セイン」は陰のような作品で、突出して目立つような曲の詰め合わせというより、全体の隊列の足並みの揃った総合点の高いタイプのアルバムであると言える。

「ジギー・スターダスト」が光ならばこのアルバムは陰ってのはなかなか上手く言えた自分でも思う。

 

8. 「The Buddha of Suburbia」

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ディスコグラフィの中でも忘れられがちな、存在感のかなり薄いアルバムだけど、これは無視できない出来。元々はTV用のサウンドトラックとして製作され、後にボウイの作品としてリリースされた、くらいの認識でみんなちゃんと聞いてないと思うんだけど、これがめちゃくちゃかっこいい。個人的には「レッツ・ダンス」以降のボウイの中の最高傑作のうちの一つだと思う。

音は空間的な使い方というか、サウンドトラックとしての製作だからというのも大きく関わりがあるんだろうけど、今までの歌モノというフォーマットを取っ払って自由な状態で製作したからか、これまでにはなかったような音使いがアルバムを支配してる。トリップホップだったりアンビエントみたいな曲が多い印象。

人に強くオススメは出来ないけれど、肩の力の抜けた、ボウイの作品の中でも一番過小評価されたアルバムのように思う。

 

7. 「★」

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ボウイが死んでからもう1年以上経つのか。プリンスのときもかなりびっくりしたけど、これをリリースした直後だったから本当に驚いた覚えがある。

明らかに当時流行りだったエクスペリメンタルなジャズの影響を強く受けていて、特にケンドリック・ラマーの「To Pimp a Butterfly」やカマシ・ワシントンの「The Epic」などの要素が散見される。それでもやはりボウイ印はしっかり残っていて、自らの死期を悟っていたこともあってか、内容はかなりメランコリックで冷たくて暗い。

それでも過去の燦々たる作品群に負けずとも劣らない、素晴らしすぎるほどの内容となっていて、数年後にはボウイの最高傑作の筆頭候補になるであろうレベルですごくいい。亡くなってからより評価が高まったというよりも、もし仮に今まだ生きていたとしてもちゃんと正当な評価を得ていたであろう、マジですごいクオリティ。かっこよすぎ。

 

6. 「Heathen」

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「★」が散々すげえとか言ったけど、この「ヒーザン」もすごくいい。過度にコンセプチュアルでなく、華美なわけでもない、やや地味目なアルバムであることは否めないけど、しっかりこういう代表作と呼ばれないタイプのアルバムでもものすごいクオリティだから本当に好きだ。

「レッツ・ダンス」以降のボウイの中では、これと「★」、「郊外のブッダ」の3つが特に好きだ。「★」はコンセプチュアル、「ブッダ」は新しい引き出しとしてのボウイ、このアルバムでは、純粋に曲が良い、3つの違うタイプで素晴らしい傑作たちだと勝手に思ってる。

ジャケが意味不明なのもなんかむしろ良いよね。

 

5. 「Low」

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みんな好きだけどやっぱり好きだわ。初めて聞いた時はこんなもんかくらいにしか思わなかったけど、ずっと聞いてるうちに絶妙にキモいビートが癖になってきて永遠と聞いちゃう。

前半後半どちらも好きだけど、特に後半のアンビエント部は、僕自身アンビエントな音楽がかなり好きということもあってか、「ワルシャワ」から再生してよく聞いてた。このアルバムとブライアン・イーノの「Music for Airport」でアンビエントの音楽の良さをじわじわ理解していったみたいなところある。

スウェードのボーカルのブレット・アンダーソンが部屋にこのアルバムのジャケットのポスター貼ってる画像がかっこよすぎて、うちの家の枕元に貼ってあるわ。

なんとなくニール・ヤングの「アフター・ザ・ゴールドラッシュ」のジャケットと対になっているような印象があります。

このジャケットのアイフォンケースとかあったらかなり欲しいな。探してみて見つけたら買います。

半分以上どうでもいい話だったけど、中身は掛け値なしの名作なので未聴の方は是非。

 

4. 「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」

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説明不要の名盤。とりあえずこれ聞いとけみたいなところある。「レディ・スターダスト」はボウイ史上でも1、2を争うほど好きな曲で、もうほんと最高。

 

--------------殿堂入りの壁--------------------------------------------

 

3. 「Scary Monsters (and Super Creeps)」

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スケアリー・モンスターズ、めっちゃ好き。デヴィッド・ボウイの音楽色々聞いてきて最終的にどのアルバム一番聞いてるかって言われたら多分これだと思う。全然2位のアルバムとひっくり返るけど、楽曲の洗練度を考えると3番目くらいかな。

ニューウェーブやポストパンク×サイバー感というか、こういう組み合わせが最高にかっこいいよな。「It's No Game (Part 1)」や「Ashes to Ashes」のようなかなり尖った曲が大部分を占めるかと思いきや、普通にめちゃくちゃポップなだけの「Up the Hill Backwards」みたいな曲も挟まれてたりして、そのバランス感覚が好きなんや〜となってしまう。

彼のディスコグラフィの中でも一番飽きないアルバムはこれだと思う。

 

2. 「Hunky Dory」

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ジギー・スターダスト以前のまだボウイが何者でもない時期のアルバム。

これがもう本当に最高すぎて、ボウイに初めてハマったのがこれで本当に良かったと思う。

「Changes」や「Life On Mars?」、「Quicksand」と名曲は数あれど、このアルバムのラストを締めくくる「The Bewlay Brothers」の不思議な引力に惹かれて何度も聞いてしまう。この曲があることで華やかな前半部に比べると突き放した終わり方になるこのアルバムの構成が最高すぎ。

ジャケットの三輪明宏上位互換みたいなボウイ様も最高です。ありがとうございました。

 

1. 「Statiion to Station」

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どのアルバムも違った良さがあるけれど、このアルバムはその中でも一つ頭抜けて素晴らしい。

ブラックミュージックを彼なりに昇華したグルーヴィなファンクで、このすぐ後のベルリン三部作よりも更にクラウトロックに近い印象を受ける。

表題曲は10分もあるけれどあっという間でめちゃくちゃ変な構成だし、歌詞もスケールデカすぎて意味わからないけどかっこいいもんは最高にかっこいい。全曲最高なんだけど、このアルバムのラストを飾る「Wild is the Wind」がやたら良い。

「地球に落ちてきた男」撮影後にレコーディングされたアルバムらしくジャケットもそんな感じで微妙に血の通ってない雰囲気も大好きだ。「2001年宇宙の旅」みたいで。タイトルもかっこいいしこの一位は当分揺るがないですね。最高です。

 

デヴィッド・ボウイのフィルモグラフィ 

デヴィッド・ボウイ、やっぱり見た目も最高にかっこいいじゃないですか。だから映画とかも結構よく出てきたりするんですよ。デヴィッド・ボウイが関わった映画の中でも特に印象的なものをいくつか挙げていく。

 

「地球に落ちてきた男」 

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ポスターがかっこ良すぎるなこれは。1976年公開。

話自体は大して面白いもんじゃないんだけど、この時期のボウイが美しすぎてやばい。まさに地上に舞い降りた天使のようだ。ボウイの美しさをうっとりと眺めることのできる以外、ぶっちゃけあんま価値のない映画だけど、もっとも美しい時期のボウイ様を拝むことができるので是非見てください。鼻血出ます。

 

戦場のメリークリスマス

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83年公開の大島渚監督による「戦場のメリークリスマス」。

ボウイが「レッツ・ダンス」の頃のダンディーなおっさんになったボウイを見ることができる。この映画に登場するボウイはだいたい縛られてる。縛られる意外にも土に埋められたり、散々な目に遭ってておもしろい。とんねるずのみなさんのおかげでしたかよ。

 

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土に埋められてもなおかっこいいデヴィッド・ボウイ

 

東洋思想や婉曲的な同性愛表現など、かなり観念的でわかりやすい映画ではないけど、若い頃の北野武だったり坂本龍一のぎこちない演技とか見てるだけでもそこそこおもしろい。

 

ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間

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デヴィッド・リンチの代表作の一つでもある、「ツインピークス」シリーズの劇場版にもちょろっと出演している。こういう主役ではないんだけど脇役として登場した時にボウイの魅力が最大限に発揮されると思う。

 

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マイアミバイスみたいな服着てるデヴィッド・ボウイ。険しい顔してる。

 

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すごい苦しそうなボウイ。風呂でシャワーから水が出てきた時にびっくりしてる僕の顔にそっくりな表情してる。こんな顔なのにかわいいな。

 

「バスキア」

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96年公開。音楽はジョン・ケイルが担当してる。

かなり昔に見た記憶あるんだけど、デヴィッド・ボウイアンディ・ウォーホル役でキャスティングされてて、かなりノリノリで演技している印象があった。わりとこの映画では重要な役割なので準主役級の演技を見ることができる。

 

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めちゃくちゃ豪華なメンバーでの写真。ゲイリー・オールドマンデニス・ホッパーとか豪華すぎるな。

 

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アンディ・ウォーホル役のデヴィッド・ボウイ。かなりノリノリで演技してた記憶ある。「ハンキー・ドリー」でも「アンディ・ウォーホル」って曲あるくらいだったからキャスティングされたとき、かなり嬉しかったんだろうな。

 

「ズーランダー」

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ベン・スティラーが主演と製作、監督を務めた2001年の映画。

全編アホな奴しか登場しなくて、ふざけ倒すだけの映画。ガソリンスタンドでガソリンを撒きあってはしゃいだ後、煙草に火をつけて爆発するシーンはアホすぎて涙が出るくらい笑った。

 


Bowie in Zoolander

モデル同士がどちらがかっこよくランウェイを歩けるか勝負するシーンがあるんだけど、そのシーンでちょろっとだけレフェリーとして登場。映画見てる時なんの前情報もなく見てたからびっくりした。この時のボウイもかっこよすぎて痺れる。

 

プレステージ

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ダークナイト」のクリストファー・ノーラン監督による、マジシャン同士の因縁を描いた映画。2006年公開。

19世紀末のロンドンを舞台にしていて、登場する衣装や小物がかわいくて気が利いてる。俳優もかなり豪華で、主演はクリスチャン・ベールヒュー・ジャックマンでヒロインにスカーレット・ヨハンソン、キーパーソンとしてニコラ・テスラ役でデヴィッド・ボウイが起用されてる。

このニコラ・テスラというのが胡散臭い発明家なんだけど、ばっちりハマってる。

 

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もうこの時点で胡散臭さがすごい。もちろん良い意味で。こんなかっこいいのに胡散臭いのマジで最高すぎる。

 


David Bowie as Nikola Tesla

主人公にある仕掛けを提供するニコラ・テスラ。胡散臭すぎてそれが逆に倒錯トリックになってる(これネタバレになっちゃうかもしれないけど)。

 

映画自体は大どんでん返しがあるタイプの映画らしいんだけど、俺はこの映画のこと全く認めてねーぞ。普通にオチに納得がいかなかったので20点くらいの映画だと思ってる。

それでも、19世紀ロンドンの雰囲気やデヴィッド・ボウイを見ることができるのでまあ見ても損はない。いろんなデヴィッド・ボウイが出演した映画あるけどなんだかんだ言っ脇役として登場するデヴィッド・ボウイの中ではこれがいちばんかっこいいしね。

 

 

こっから先はデヴィッド・ボウイ人とは直接関係ないんだけど、デヴィッド・ボウイを明らかに意識しているキャラクターが登場したり、息子で映画監督であるダンカン・ジョーンズの映画も紹介する。

 

ベルベット・ゴールドマイン

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最近では「キャロル」なんかも監督した、トッド・ヘインズによる98年公開の映画。ポスター見てもらったらわかる通り、明らかにジギー・スターダスト期のデヴィッド・ボウイを意識したキャラクターが登場する。というより、映画のタイトル自体がボウイのジギー・スターダスト期の曲である「ベルベット・ゴールドマイン」から取ったものだろうからね。

映画自体はグラムロックが流行った時代にフォーカスを当てたもので、90年代イギリスで制作されたということもあってか「トレインスポッティング」のような世紀末のロンドンのあの時代の空気感がパッケージングされてる。

内容は「トレインスポッティング」の音楽版のような作りになっていた気がするけど、そんなにハチャメチャなことはやってない印象。そういえばこの映画でもユアン・マクレガーが登場して裸になってた。もう完全にデヴィッド・ボウイと関係なくなっちゃうけど、ユアン・マクレガーって登場すると十中八九裸になるよな。スターウォーズくらいだろ、裸にならないの。

 

月に囚われた男

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息子であるダンカン・ジョーンズによる初の監督作品。

原題が「Moon」であるのに対して、邦題が「月に囚われた男」なの、邦題付けた人が有能であると感服するばかりである。

肝心の内容の方も良く出来てて、SFの密室サスペンスとしてかなり良く出来てる映画だと思う。90分くらいしかないからサクッと見れるしね。

普通に良く出来ているのでこれまで紹介した映画の中で(デヴィッド・ボウイは出てないけど)一番見やすい。面白いので是非。

 

 

・エピソードなど

デヴィッド・ボウイはかっこよくて音楽がいいだけじゃないんだよな。ちょっと前にティン・マシーン時代に日本のクイズ番組かなんかに出演している映像を見たんだけど(かなり探しまわったんだけど、今じゃ消されてるみたい)会話の切り返しが普通に上手かったり、おちゃめな一面も見れたりと根っからのエンターテイナーという印象がある。

 

日本との縁も深いらしく、「レッツ・ダンス」や「戦場のメリークリスマス」のころだから80年代中頃には、半年ほど京都に別荘を借りて住んでいた(!)らしい。

それに付随した僕の好きなエピソードとして、ある女子高生が喫茶店で英語の宿題をやっていたらしくて、それの添削をお願いしようと外国人に声をかけたらしい。その声をかけられた外国人というのがデヴィッド・ボウイで、英語の文法を直してあげたり、女子高生に丁寧に添削指導してあげたらしい。なんじゃ、そのエピソードは。嘘つくにしてももうちょいマシな嘘つけよ、という感じだがどうやらこれは事実みたいだ。

以下に関連記事を貼っておく。

全文表示 | デビッド・ボウイ「喫茶店でJKの宿題手伝っていた」 訃報で次々に再発掘される来日時の「逸話」と「伝説」 : J-CASTニュース

 

 

地球に落ちてきた男の時の写真見てたらマジで美しすぎたので共有します。

 

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地球に落ちてきてくれてありがとうとしか言えないよ。

 

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山本寛斎との有名なやつ。

 

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漢字で書くと「出火吐暴威」になるんですね。またどうでもいいことを知ってしまった。

 

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Hi, David.

 

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このロン毛時代のデヴィッド・ボウイが好きすぎる。最高かよ。

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この前髪あるバージョンもめちゃくちゃいいな。前世でどれだけ徳を積んだらこんな人間に生まれてこれるんだ...

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ロン毛時代終了。ここまで伸ばしたのは後にも先にもこの時期だけだったみたい。最高かよ。

 

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ジョン・レノンみたいなデヴィッド・ボウイ。彼のキチガイスマイル好きだ。歯を思いっきり出して笑うのが最高にチャーミング。

 

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リアリティツアーの時だと思うから2004年か。この時どうやら57歳だったらしい。こんな前髪垂れてるの似合うジジイいるかよ。

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リアリティツアーのときのボウイ、マジでかっこよすぎ。どうなってんだほんとに。歳の取り方知らねえのか。

 

あと個人的にこの時代の悪役感がすごいボウイも好きです。エキセントリックすぎるんだよなあ。美形なゲイリー・オールドマンみたい。

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この時代のボウイ、007の悪役のオファー来てただろってレベルで悪そう。ミサイルとか隠し持ってそうだもん。

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それではニヒルなスマイルでお別れです。

 

 

と、デヴィッド・ボウイについてのエピソードを調べたり、改めて彼の作品群を聞いたりしているうちにマジで最高じゃねーか、という気持ち以外なくなってしまった。亡くなってしまったのが今でも悲しい。

たくさん素敵な作品を残してくれてありがとう。これからも僕の中でいつまでも輝き続けていてくれ。